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AIエージェントに人の決裁を入れる場所と、Claude Codeでの作り方

稟議のように、Claudeが起案し人が決裁する。確認を機械と人に仕分け、プランモードやaskルールで決裁ポイントを作る方法を紹介します。

日本の会社には稟議という仕組みがあります。担当者が起案し、上長が確認し、決裁者がハンコを押す。AIエージェントを業務に入れるとき、実はこの考え方がとても役に立ちます。Claudeに起案させ、人が決裁する。ただし、ハンコの数が多すぎると、せっかくの速さが消えてしまいます。この記事では、人の確認をどこに置けばいいのか、そしてClaude Codeでそれをどう組み込むかを説明します。

確認には2種類ある

まず、業務の中の確認作業を二つに分けます。

機械で確かめられる確認は、正解があるものです。金額の計算が合っているか、リンクが切れていないか、テストが通るか、元資料の数字と一致しているか。これは人がやる必要がありません。スクリプトやテストに任せるべき部分です。

人にしかできない判断は、正解がなく、より良い答えがあるだけのものです。この取引先にこの言い回しで失礼がないか。この提案の方向性でいいか。社内の空気を考えて今出すべきか。日本の仕事では、この「空気」や「関係性」の判断が特に大きな比重を占めます。ここは人が見るべきところです。

多くの現場では逆のことが起きています。誤字や数字のチェックに時間を使い、本当に人の目が必要な「相手にどう伝わるか」は流し読みになっている。先に仕分けをすると、確認の時間を使うべき場所がはっきりします。

絶対に人が決裁するもの

どれだけエージェントが優秀になっても、次の作業は人の決裁を外さないでください。

  • 取り消せない操作:データの削除、本番環境への反映
  • 社外に出るもの:メール送信、見積書の送付、SNSへの投稿、お客様への連絡
  • お金、契約、法務、人事に関わる判断

何週間も問題なく動いていたとしても、それは安全の証明にはなりません。まだ何も起きていない、というだけです。

自分の業務フローを仕分けるプロンプト

普段その業務で使っているClaudeのプロジェクトや会話で、次のプロンプトを貼り付けてください。実際の手順を知っている場所で使うのがコツです。

このプロジェクトでの業務の流れを、手順ごとに書き出してください。
各手順について、次の5点を表にしてください。
1. 担当:私、Claude、スクリプトのどれか
2. その手順で起こりうるミス
3. ミスを見つける確認方法。「機械で確認可能」か「人の判断」かを明記
4. 私が承認するために見るべき根拠を一行で
5. 確認で問題が見つかったときの対応
取り消せない手順と社外に出る手順には「人の決裁:固定」と付けてください。
最後に、最初に自動化すべき「機械で確認可能」なチェックを3つ挙げてください。
一般的なテンプレートではなく、実際の手順で答えてください。

たとえば見積書作成なら、「単価と数量の計算」は機械で確認、「値引きの判断」と「送付」は人の決裁、という形に分かれるはずです。

Claude Codeで決裁ポイントを作る

作業前の決裁:プランモード

Shift+Tab でプランモードに切り替えるか、プロンプトの先頭に /plan を付けます。Claudeは調べて計画を書きますが、承認するまでファイルを編集しません。稟議でいう起案書の段階です。Ctrl+G で計画をエディタで開き、直接書き換えることもできます。

危ない操作の決裁:askルール

.claude/settings.json にaskルールを書くと、autoモードでも毎回確認が入ります。

{
  "permissions": {
    "ask": ["Bash(git push *)", "Bash(rm *)", "mcp__*__send*"]
  }
}

報告だけするエージェント

サブエージェントは、一つの仕事と専用の道具を持ったClaudeです。読み取りと調査の道具だけを渡せば、結果を報告することしかできません。.claude/agents/researcher.md として保存します。指示は日本語で問題ありません。

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name: researcher
description: Webで調査し、出典付きで報告する。事実確認が必要なときに使う。
tools: WebSearch, WebFetch, Read
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一度に一つの問いを調べ、見つけたことを最大5件にまとめて報告してください。
すべての項目に、実際に開いて確認した出典URLを付けてください。
出典が見つからない場合は、見つからないと書いてください。推測でURLを作らないでください。
ファイルの書き込みや送信は行わず、報告だけを返してください。

あとは「researcherサブエージェントを使って、国内の競合3社の料金プランを調べて」と頼むだけです。

ハンコを一つずつ減らしていく

同じ指摘を二回したら、その修正を一段上に上げます。まず CLAUDE.md に一行のルールとして書く。それでも伝わらなければ良い例と悪い例を添える。手順全体ならスキルにする。機械で確認できるものならテストやフックにする。最後に、十分な期間テストが通り続けたら、その決裁を外します。

外すのは、ここ数週間何も見つけていない決裁からです。一番面倒に感じる決裁は、たいてい今もミスを見つけている決裁です。

最初は、上のresearcherのような読み取り専用のエージェントを一つだけ、一週間使ってみてください。自分が何を直したかを記録すれば、それがそのまま次に自動化すべきリストになります。サブエージェントの詳しい設定は公式ドキュメントにあります。

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